医療脱毛メインから皮膚科施術へ──現場で感じたメリット・デメリットをすべて語る
看護師として7年以上病棟勤務を経験したあと、私は美容皮膚科・美容外科で3年以上働きました。
派遣単発バイトやツアーナースとしてもさまざまな現場を見てきた私が、今回は美容皮膚科のリアルな働き方を、一切ごまかさずにお伝えします。
「美容に興味はあるけど、実際どうなの?」
「キラキラして見えるけど裏側は?」
「売上ノルマって本当にある?」
そんな “迷いナース” に向けた、完全に現場目線のリアルレポートです。
美容皮膚科ってどんな仕事?──私の現場は “医療脱毛メイン”
私が働いた美容皮膚科は、いわゆる 医療脱毛が中心のクリニック。
一日の流れはこんな感じでした。
例)
- 10時30分出勤。機器立ち上げ、照射ルーム整備などの準備
- 10時45分朝礼。(当日のスケジュール確認)
- 11時~15時予約枠に沿って脱毛施術(夏の繁忙期は途切れない、冬の閑散期は空きがある)
- 15時~16時昼休憩。しっかり取れる日もあれば、押して短くなる日も
- 16時~20時夕方に施術が集中することも多い
- 業務終了後は掃除
- 20時退勤。残業はゼロに近い
しかし「脱毛だけできればOK」というわけではありませんでした。
◆ 売上のために追加された“皮膚科施術”
クリニックの売上を伸ばすため、途中から下記の施術も担当するように。
- 美容点滴
- ダーマペンやピーリングなどの施術
これが入ってくることで、ただ照射するだけの仕事ではなくなり、
皮膚の知識・薬剤理解・施術後のスキンケア指導など、美容看護師としてのスキルも必要になります。
美容皮膚科で働く “メリット”
① とにかく身体がラク(病棟とは次元が違う)
病棟にいた頃のように、
重症患者のケア・夜勤・急変・走り回る…
そんな生活とはサヨナラ。
- 夜勤なし
- 体力消耗も少ない
- 心身の負担が軽い
「看護師=体力勝負」という常識が崩れます。そして生活リズムが整います。
② 自分も美容知識が増えてキレイになる
施術の知識が増えるだけではなく、
- スキンケア
- 毛周期
- 美容医療の選び方
- 施術後のダウンタイム管理
など、自分自身が“美容オタク級”に詳しくなります。
スタッフ割や社員割で施術を安く受けられるのも大きなメリット。
③ トラブル対応で看護師スキルが磨かれる
医療脱毛やダーマペン、点滴では、
- 火傷
- 赤み
- 内出血
- アレルギー反応
などが起こることもあります。
そのため、
観察力・判断力・皮膚トラブルの初期対応力 が鍛えられます。
病棟とは種類の違うスキルが身につくのは確か。
④自分の頑張り次第で給料UP
(夜勤なしで病棟並み or それ以上も)
美容皮膚科は、給与水準が病棟より高くなりやすい傾向があります。
ただし、ここが重要です。
- 店舗ごとの集客力
- インセンティブ制度
- クリニックの売上
- 母体の経営状況
これらによって 年収は全く違う のが現実。
私が働いていたクリニックは倒産前で、インセンティブは1万円程度と控えめ。
それでも、
「夜勤なしでこの金額がもらえるのは正直うれしい」
というのが本音でした。
⑤ビジネススキルが身につく
- 接遇マナー
- ビジネス用語
- マナーに基づいたコミュニケーション
- クレーム対応
- 社会人としての立ち居振る舞い
こうした 一般企業で求められるスキルや言葉遣いが自然と身につく のも大きなメリット。
美容皮膚科の“デメリット・つらいリアル”
ここからが本題。
働く前に知っておいてほしい「リアルな裏側」です。
① 売上プレッシャーが実際ある
「キラキラした美容クリニック」
そんなイメージの裏で、一番ストレスだったのがこれ。
- コース契約の案内
- 物販(美容液・スキンケア・漢方)
- 施術のアップセル
- 上記の営業トークの特訓
もちろん全てのクリニックにあるわけではないですが、
売上や契約獲得をスタッフに求めるクリニックは多いのが現実。
施術以外の営業要素に苦しむ人は少なくありません。
ノルマはありませんが、インセンティブ制度がある企業がほとんど。
② 施術枠がパンパンで“流れ作業”感が強い
人気クリニックほど1日の予約はぎっしり。
- 休憩時間が削られる
- 1人ひとりに丁寧に時間をかけられない
- 常に時間との戦い
「もっとしっかり説明したいのに…」と葛藤する日も。
③ クレームが多い職場でもある
美容は満足度のハードルが高い分、クレームも比例します。
- 「まだ毛が生えてくる」
- 「効果が出てない気がする」
- 「赤みが引かない」
- 「カウンセリング内容と違う」
対応でメンタルを削られる日もあります。中には感情的になるお客様もいらっしゃり、本部の職員が対応することもありました。
④病棟より緊迫感がなく、逆に細かいところが気になり人間関係が疲れやすい
美容皮膚科は、病棟のように忙しくないため、
「あの人の言い方が気になる」
「誰が休憩を何分取った」
「担当の割り振りに不満が出やすい」
といった、細かな人間関係の摩擦が起こりやすくなります。
「業務はラクなのに、気疲れは病棟より多かった」
という声も珍しくありません。
⑤脱毛照射で腰を痛めやすい(1人での照射時はキツい)
「美容は体力的にラク」
これは大きなメリットではあるのですが、実は盲点があります。
腰を曲げた体勢を取ることが多く、本来なら二人体制なら負担が軽いのですが、多くのクリニックでは 看護師1人で照射を担当。
照射の体勢は地味にハードで、腰痛持ちにはとてもつらい のが現実です。
ストレッチやコルセット・施術方法の工夫が必須になります。
⑥看護師なのに“誰でもできる仕事”と言われがち
脱毛施術は技術よりも経験が必要な仕事ですが、
世間的には「看護師じゃなくてもできそう」と思われがち。
専門性が認められにくいことに、モヤモヤすることもあります。
友人に「看護師やめた?」と思われていました。
向いている人・向いていない人を現場目線で解説
◆ 美容皮膚科に向いている人
- 美容が好き・詳しくなりたい
- 接客が苦じゃない
- 人と話すのが得意
- ルーティンワークが好き
- 夜勤のない生活をしたい
- 丁寧な施術や細かい作業が得意
◆ 向いていない人
- 営業・売上ノルマが無理
- 人間環境が繊細な環境が苦手な人
- トラブル対応が苦手
- 手を動かし続ける仕事がしんどい
- 一人で淡々と作業するのが嫌
- 腰痛持ちの人(工夫次第で負担軽減できる)
- 病棟のような緊迫感やチーム力の中で働きたい人
美容皮膚科で働いて感じた“結論”
美容皮膚科は、
「看護師の強み × 美容の楽しさ」 が上手く合わさった職場。
- 夜勤なし
- 比較的身体はラク
- 給料も上がりやすい
- 美容知識が増える
- ビジネススキルが身につく
- 経験を積めば他の美容クリニックにも転職しやすい
ただし、
“売上の世界である” という現実は忘れないでほしいです。
そこを理解したうえで働けば、
病棟とは違う魅力的なキャリアを築けます。
最後に──迷っている看護師へ
美容皮膚科は、病棟や訪問看護とはまた違う「全く別ジャンルの看護」。
看護師としての視点を持ちつつ、お客様の人生をポジティブに変える仕事です。
「美容が好き」
「夜勤なしで働きたい」
「忙殺されない環境で、自分のペースで働きたい」
そんなあなたには、確実に選択肢の一つとしておすすめできます。
